「看病用心鈔」 お寺の出前の会による平成版私訳 第12条から第15条

view

表紙仏教徒の発言。View>「看病用心鈔」お寺の出前の会による平成版私訳 第12条から第15条

「看病用心鈔」 お寺の出前の会による平成版私訳

訳 大崎信久 絵 宮本直樹 お寺の出前の会 刊

line

第12条 守秘義務

 

病人:ギョエー、恐ろしか夢ば、見よったと。不安じゃー。誰か助けてくれー。


病人:ギョエー、恐ろしか夢ば、見よったと。不安じゃー。誰か助けてくれー。
若い看病人:
大丈夫ですよ。つんくさん、いや、むんくさん。私達がついていますよ。
ベテラン看病人:そうだがやー。その恐ろしか夢、わしに聞かせてちょう。

 1 常に病人は夢で見たことや現実に思ったことを隠さず看病人に話す方がよいでしょう。また、病人から話さないのなら、こちらから丁寧に尋ね聞くことをおすすめいたします。
 2 その話の内容が悪いときには一緒にお念佛などでし懺悔し、慰め、勇気付けてさしあげます。あるいは良い話のときは、一緒に喜びを共有なさってください。
  善悪を問わず、他言しないよう心掛けてください。

 ◆つぶやき→スピリチュアル・ケア〜不安な心を支える。

line

第13条 死の準備教育 念佛のありかた

 

病人:うわー。貪りの嵐が押し寄せてくる。こっちからは怒りの嵐だー。私には、もうこの一筋の道しかないのか。


病人:うわー。貪りの嵐が押し寄せてくる。こっちからは怒りの嵐だー。私には、もうこの一筋の道しかないのか。
佛さまA:
そうじゃ、その信仰の道をまっすぐ歩んで行きなさい。
佛さまB:
いつも看護っておるからそのまま行け!何もかも脱ぎ捨てて、身軽になって。

  病人などに説き聞かせる教えとしては、永観禅師の『往生(臨終)講式』や、
  源信僧都(げんしんそうず)の『往生要集』の「蓮華初開楽(第二段)」などがふさわしいでしょう。
  また、善導大師は次のように説かれています。
 「人の寿命が尽きるとき、極楽浄土に往生したいと願うのならば、まず慎んで、自分の心の中にある死を恐れるということ、生を貪るという気持ちを取り除くべきである。そして、今現在、我が身には多くの苦しみ悩みが押し寄せている。もしここで、極楽浄土に往生できるのであれば、この上もない心癒される世界でみ佛と対面し、教えを聞いて、さまざまな苦悩から解き放たれて自らも佛となれるのだ。これを例えていうなれば、汚れた衣装を脱ぎ捨てて美しいものに着替え、さっぱりとした心地になるようなものである。ここは、とくに死に至る病気であれば、その病状の軽重(けいちょう)を論ずるのをすみやかにやめ、安らかに息を引き取ることに意を注ぎ、お念佛などしてこれから往く世界のことに目を向け、み佛のお迎えを願いなさい」とあります。
  その他には、『浄土三部経』や先ほど紹介した善導大師の『五部九巻』の中に示された臨終に関する言葉なども、常に耳元でお念佛するとともにお聞かせするようにして、心乱れる原因を取り除いて、死を安らかに迎えられますよう接してください。

line

第14条 死の準備教育 念佛のありかた

 

父:いや、どうやら佛さまがお迎えに来られたような気がしてなあ。


家の中で…
家族:お父さん、どうされましたか?
父:いや、どうやら佛さまがお迎えに来られたような気がしてなあ。

家の外で…
僧:
あれは何だ。鳥だ!飛行機だ!UFOだ!
ねこ:ウンニャー、佛さまニャー

  病人などに説き聞かせる教えについては前項で簡単に述べたとおりです。
  いずれにしても、「まさにこの時にこそ、この苦しみが一切なくなり、み佛のお迎えによってこの上もない素晴らしい死後の世界が訪れるのだと心から念じ、そこに往きて生まれるのだと信じるべきです。だから決してそのことを忘れて、心乱してはいけないのです。今日まで信仰してきたお念佛の功(功徳)はここでまさに発揮されるのです。み佛は決してあなた1人を漏らすことなく、極楽浄土へ導くために迎えに来てくださいます」と言って、どれほどの苦しみがあろうとも病人を常に励まし、勇気付けてさしあげてください。

 ◆つぶやき→信仰という名の安心。親交という名の安心。

line

第15条 死の準備教育 念佛のありかた

 

佛さま:はいな、私は誰ひとりとして見捨てることはないのだよ。


病人:
いよっ、佛さま!本当に来てくださったんかい。
佛さま:はいな、私は誰ひとりとして見捨てることはないのだよ。
病人:
極楽ってええとこですか?
佛さま:
そらー、行ってみないとわかるまい。酒はうまいし、ねえちゃんはきれい…失敬。

 1 病人に訪れる臨終の時の心掛けは、み佛による「今まさに臨終を迎えようとなさるお方のもとに、慈しみの心をもって来て下さる」というお誓いをひたすら頼みとし、信じ、仰ぎ願うことでございます。すなわち、「日頃から積み重ねてきた信仰によって臨終の枕辺には必ずみ佛が姿を現され、迎えに来てくださり、やがて静かに心安らかなうちに息を引き取れます」と、お心得おきください。ですから、日頃からそうした事柄をしっかり願い描いておくことが大切でありましょう。お互いこのことをよく話し合うなどして忘れないようにしたいものです。
  私達が往生するには、み佛のお救いのお力を借りなければならず、でなければ永遠に苦しみを繰り返してしまうことになりかねません。ですから、こうしたみ佛の救いの力を日々信じられるよう努めたいものであります。
  その上で病人を常に励まし、勇気づけてさしあげてください。

第1条から第2条 │ 第3条から第6条 │ 第7条から第11条 │ 第12条から第15条 │ 第16条から第19条

line

仏教だから共有できる感動の世界。仏法僧 Buddhist On Stage
Copyright(C) 2005― Office Fujii, Allright Reserved.